リハビリテーション×アクセラレーター=イノベーション

リハビリテーションが必要な方に必要なだけ必要なときに提供出来る仕組みと、制度を作るための学習的な事を書いています。

加算、意図に沿って正しく算定してますか?

最近、きちんとしたリハビリテーションをデイサービスで提供したいから教えてくれ!という相談が増えている。

「きちんとした」には色んな意味が詰まっている。

きっと今までのように、有資格者を雇用し、体制を整えて、適度に身体を動かすような、なんちゃって機能訓練だけでは

色んな意味でマズイ。と感じてきているのだと想像できる。

利用者さんに個別機能訓練加算という負担を一割(八月からは二割負担になる方が居る)だがお願いして、介護保険財源から九割をいただいている。少ないと言われている年金から負担分を捻出して、介護サービスを自己選択で利用している利用者さん。

つまり、消費者。消費者目線から考えたら当然なことで、自分の目的に合ったサービスを選択する、または選択出来る選択肢が増えている。(過疎地域では選択する事すらできない現状が・・・)

まっとうな運営者さんがそうやって消費者に選択していただけるように、サービスの質を高めたいと感じてくださることそれ自体は大歓迎であり、惜しみ無く出来る限りの事を提案している。

逆に言えば、そうやって差別化、特色を打ち出していかないと生き残れない業界になってきたということ。

余談だが、よく、介護医療には市場主義は不釣り合いだ。という論もあるが、競争原理が働き質が高まるという点については良いのではないかと考えている。

新しく改訂された介護保険での個別機能訓練は、事業者に更なる努力を求めてきている。

地域包括ケアを一段と加速させるためには、なんちゃって機能訓練にお金を払っている場合ではないのである。

なんちゃってと、なんちゃってじゃない差は何かと言うと、目標設定と経過管理、それに必要な評価だと思う。これについてはまた後日。

つまり、運動が加算算定のメインではなくて、きちんと対象者の生活やらニーズを掘り下げて、効果を出してくださいね。という部分を国は求めている訳であるので、ここできちんと効果的なサービスが提供できないことが判明してしまうと、2018年の次期改定では更に打撃を蒙ってしまう。ついでに2018年の改訂は医療介護の同時改訂となるから注意が必要だ。

加算というインセンティブで介護業界を誘導していると考えるのならば、設定された加算は体制を整えて算定できるように努力していくべきであり、そこにはニーズがあるから「加算」しているのである。

肌感覚ではあるが、きちんとそういう部分も認識して、サービスの質の向上を目指そうという動きは年々増えてきているように感じている。しかしながら、いまだに「リハビリデイサービスはまだ需要もあり、儲かりますよ!」というような主旨の広告で、新規参入を促すようなシンクタンクもあったり、FC本部もあったりする。これには本当に閉口する。

今回の改訂で、小規模事業所が大打撃を蒙った反省がまったく理解されていないのが気にかかる。介護保険は公的保険制度である性質上、大きな収益は望めない仕組みなのである。確かに、FCビジネスでは多店舗展開すればするほど、本部は儲かるかもしれない。しかし、それだって、FC店舗を経営するフランチャイジーの努力が必要である。

契約金詐欺、ロイヤリティー詐欺にならないよう注意したい。

まとめると、デイサービスの場合は、各種加算を正しく理解し、正しく提供し、正しく利用してもらう事により適正な収益は確保できる。国だって、介護事業所が全部撤退してしまっては困るので、儲かりすぎずという絶妙な報酬設定をしてるのである。

エビデンスに基づいた適切な個別機能訓練を提供できる事業所が増える事を望んでいます。