組織力についての考察
ちょっと調べ物をしていたついでに、興味深い数値を拾ってきました。
医療・介護に従事する有資格者の人数です。
重複しているダブルライセンスの方も沢山いるかと思うので、一概には言えませんが参考にはなるかと。。。
厚生労働省の資料によるリハビリテーション3職種の登録人数(H25.12)
理学療法士:110,748人
作業療法士:65,929人
言語聴覚士:21,969人
これを合計すると 198,646人 ざっと20万人の組織になるわけです。
ちなみに柔道整復師さんは58,573人
視能訓練士:11,225人
義肢装具士:4,262人
といった具合になるようです。
さらにさらに
医師:303,268人
歯科医師:102,551人
薬剤師:280,052人
看護師:1,571,674人
(2013年)
となります。
さらにさらにさらに
介護福祉士:1,185,022人
社会福祉士:165,645人
精神保健福祉士:60,937人
そして、2012年の産業別労働人口ベスト3を見てみます。
1位:卸売、小売業・・・1046万人
2位:製造業・・・・・・1031万人
3位:医療・福祉・・・702万人
となるようです。
平成26年10月の統計では、生産年齢人口(15歳-64歳)は7785万人となっています。
およそ10分の1の方が医療、介護、福祉の領域で働かれているという事がわかります。
ちなみに、この時点での65歳以上人口は、3300万人以上となってます。
逆に、年少者人口は1623万人と言われています。
本当に日本の人口分布がいびつであることがわかりますね。
さて、先程の職種別での人数をおさらいしましょう。
だけで20万人いるようです。
これを他の職種と比べてみましょう(ダブルライセンスの方もいるので、単純比較にはなりにくいですが・・・)
①看護師 150万人
②介護福祉士 120万人
③医師 30万人
④薬剤師 28万人
⑤POS 20万人
となります。
POSだけで毎年だいたい15,000人のあらたな資格者がうまれてきています。
あと10年くらいしたら薬剤師さんの人数は超えられるのでしょうか?
新たなPOSの若い人たちが、安心して働けるような環境を我々は作っていかなくてはならない使命を持っています。
「安心」という言葉が出ましたが、これにはいろんな意味が込められています。
就職先に困らない、希望の職場で働ける、家庭が持てるだけの収入、子供が育てられるだけの収入、社会的信用
ワークライフバランス、中堅でのそれなりの地位や役職などなど。。。
我々のように、医療保険・介護保険の点数や単位で働く現場では、収入(売上)には天井があります。
つまり、理論上の限界点が決められています。それは、病院なり、施設の収入の上限が限られている事を意味します。
会社や病院、施設の収入が決まっていて、働くスタッフも相当数いるとしたら、自分だけ良い待遇をしてもらうという事は
ほぼほぼ不可能に近い事です。
では、点数自体を上げればいいじゃん!となりますよね。
いやいやいやいや、そもそも、社会保障費に充てられる財源は毎年予算で決まっていて、前述のようにたくさんの団体が
我田引水政策を団体ごとにしているのですから、POSさんだけ優遇するという事にはなりません。
POSさんに優遇しても、あななたちきちんと結果を出せるんですか?と言われるのが関の山です。
キーワードが出てきました「結果」。これは、社会保障費が下がれば良いんです。結論的には。
その為に、POSさんはどんな取り組みを誰に、いつ、どのように、どれくらいするといくら安くなって、社会保障費を
どれくらい抑制できるんですか?と聞かれます。
つまり、予算を作る側としては、どんな団体が何をしようが関係ないのです。
社会保障費という積もり積もった何十兆円もの費用が少しでも抑制できればいいんです。
それで2020年までにプライマリーバランスが均衡していれば尚いいんです。
幸いにも、POSだけで20万人の組織力があります。これはきちんと団結すれば10万人規模の組織力になるかと思います。
将来的には、法律を作る然るべき府に物申す必要があります。それには、組織力を強化して、政策の面で実現する事です。
政策の効果を立証するために、費用対効果のあるリハビリテーションをすると良いという裏付けのあるデータを作る。
こういったことが、今後とても大事な10年後20年後の将来を作る基になります。
最近、若いセラピストでは協会の未加入率も高くなってきています。
政治団体である「連盟」も興味がないような方が増えています。
我々の年代は何とかなるんじゃないかと思っていますが、今20代、30代前半の諸氏は、自分の事としてきちんと認識を
していかないと、えらい事になると思います。
POSは疾患や介護などで身体的にリハビリテーションが必要な方にサポートできる専門職です。
この我々が制度におんぶに抱っこで、活躍の場が狭められてきては困るのは利用者さんです、患者さんです。
自分たちの背後にいる対象者やその家族、自分の家族、みんなの為に団結していく必要があると強く感じています。
いまは、ネット社会が発達し、色々な団体が(NPO、一般社団、勉強会、研修会等)ありますが、それはそれで今の段階では
良いのかなと感じています。しかしながら、立ち上がらなくてはいけないある時期が来たら乱立している諸団体がまとまり
対象者や自分たちの未来、後輩の為にまとまって動けるような調整は今していかなくてはならないと思います。
そんなこんなで長くなりましたが、独り言のような将来の不安でした。